投稿企画アンスール

このコーナーは、年に2回、テーマを決めて「Saga&Edda Association」 に来られた方々からの投稿を募集し、いただいた原稿を掲載していく企画室です。 投稿企画は、優劣を競うものではありません。会員の方に限らず、どなたでもお気軽 にご参加いただけます。


【募集要項】

  第1回 投稿企画 テーマ「北欧神話(サガ、エッダ)との出会い」

     募集期間 2006年4月1日(土) 〜 2006年7月31日(月)

           掲載開始 2006年8月15日(火) 〜


【投稿された原稿】

●歌からエッダへ―遡りの出会い

 私の場合、北欧神話の世界に触れたのは、神話からではありませんでした。
 元々、騎士文学に興味があり、十三世紀ドイツの騎士叙事詩である「ニーベルンゲンの歌」を読んで感銘を受けたことが始まりです。「ニーベルンゲンの歌」の下敷きになっている、様々なニーベルンゲン伝説を追いかけていた中で、資料の一つとして手をつけたのが「エッダ」でした。

 北欧神話といえば「エッダ」、「エッダ」といえば北欧神話の主要にしてほぼ唯一の北欧神話資料と言われていますが、「エッダ」(詩のエッダ)の大半は、実は神話の話ではありません。分量にして、ほぼ半分くらいが「ニーベルンゲン伝説」、それも、「ニーベルンゲンの歌」を最初に読んだ者からすれば、シグルズ(ジーフリト)の死の状況や、死後の状況、名前や各々のキャラクターの立場など、細部のかなり異なる物語です。

 たとえば「ニーベルンゲンの歌」では、ジーフリトは、跡取として大切に養育されたボンボン育ちの王子で、王女クリエムヒルトの美しさを聞き及んで求婚のためにブルグントの国を訪れます。
 それに対し「エッダ」のシグルズは、生まれる前に父を殺され、母の再婚した王のもとから養子に出される、と、最初の状況から異なっています。求婚の相手も、最初はグズルーンではなくブリュンヒルドです。ブリュンヒルドに求婚して結婚を誓い合っていながら、グズルーンの母に媚薬を飲まされグズルーンと結婚してしまい、このことが彼の死を招きます。
 また、殺害の相手も異なっています。「歌」ではシグルズはグンナル王の「家臣」ハゲネによって殺害されますが、「エッダ」では、ハゲネにあたるヘグニは王の弟となっており、もう一人の弟であるグットルムが殺害を実行します。「歌」のハゲネが自ら殺害を提案するのに対し、「エッダ」でのヘグニが殺害はむしろ良くないとして兄王を思いとどまらせようとしているなど、人物の行動も異なります。

 「エッダ」の中のニーベルンゲン伝説の一番の特徴は、何より、そこに古代北欧の神々の姿が見え隠れするところです。英雄シグルズの父方の家系はオーディンの祝福を受けており、父親の持つ剣はオーディンがりんごの木に突き刺していったもの、シグルズの乗る馬グラニは戦乙女ブリュンヒルトのおさがり(と、いうことは空さえ翔けることも出来たはず)と、なっています。ニーベルンゲンの黄金にかけられた呪いは、もともとオーディン、ロキ、ヘーニルの三人が旅をしていたときにフレイズマルを殺してしまい、その代償として小人から黄金を取り上げたことが始まり。これは、キリスト教化された十三世紀のドイツで作られた「ニーベルンゲンの歌」には存在しないエピソードです。
 「歌」では、古代の神々の関わるエピソードは消去され、各々の人物がとる行動も、ゲルマン戦士の倫理観に沿ったものから、ある程度、キリスト教下の騎士に沿ったものに変更されています。しかし、その裏にあるのは下敷きとなっている「エッダ」の世界なのであって、「歌」のジーフリトは相変わらず、オーディンの祝福を受けた半神の英雄的な存在であり、プリュンヒルトは戦士たちを鼓舞し自らも戦う、戦乙女の素質を持っているのです。

 他にも、ニーベルンゲン伝説に関わるものとして「ヴォルスンガ・サガ」、「シドレクス・サガ」などがあり、探索はサガの世界にも広がっていきました。形を変えた物語の原型を求めて過去へと遡っていくうちに、なんだかいつのまにか今に至っていた―― そんなカンジです。

 まぁ、だから私ぁ神様については良くわからんのですがね…。いまだにミーミルとユーミルの区別つきませんよ!(ダメじゃん)

−Posted by : 岡沢秋さん



●最初の出会いはゲームから・・・

 初めて北欧神話を知ったのは7歳の頃、北欧神話をもとにしたヴァルキリープロファイルをみせてもらってから。といってもまだまだ子供でそんな事は全く気にも留めませんでした。

  小学三年生のころ電子辞書で興味のある事を調べていてなんとなく「フレイヤ」といれてみたらそのまま出てきて、とても吃驚しました。そこから色々な言葉を調べて・・・そうやって色々な単語を調べてみるとゲームと同じだったり、違っていたり・・・そのころからギリシャ、日本の神話にはまっていました。そこで図書館で北欧神話の本を探して見ました。最初に読んだのは、山室静さんの『北欧の神話 神々と巨人のたたかい』でした。児童書だったのでとても読みやすくって北欧神話に一気にはまってしまい。いろいろな本を読み、今は、日本、ギリシャ神話を抜いて一番好きな神話になっています。残酷な場面やすこし性的な表現もありますが、それも北欧神話の大きな魅力だと思います。まだまだ未熟者なのですが、これからも知識を増やしていきたいと思います。

−Posted by : 幸夢さん



●出会い−神話と歴史

 北欧神話に出会ったきっかけは、山室静さんの本です。しかしこの出会いを語るとき、ギリシャ神話とゲームのことも、語らなくてはいけません。なぜならそれらがなかったら、ここまで北欧神話に没頭することはなかったからです。

 俺は高専2年(17歳)まで、歴史はものすごく嫌いでした。「歴史の授業=悪魔の授業」と俺は言っていました。「不当な暗記物」と感じていたし、歴史の授業も、「事件や固有名詞をずらずら並べているだけ」である―――そのようなイメージを持っていました。正直言うと、「歴史なんて、テストが終わったら即終わり。忘れてもいいし、どうでもいいもの。」と考えていました。高専2年(高校2年)のとき、歴史の授業があったけど、ぜんぜん面白くなかったです。内容はナチスや日韓関係についてです。この先生は、自分の思想の押し付けばっかりやっていました。(どんな風に押し付けられたかは想像つくかと思う。)ものすごくつまらなかったし、内職や遊びをしていました。

補足:高専について 高専とは5年制の学校です。高校+短大のみたいなものです。様々な学科があり、機械系,電気系,情報系,化学系,土木系などがあります。俺は化学系でした。理系科目が非常に多く、文系科目は少ないです。学年が進めば進むほど、この傾向は顕著になり、3年生を超えるとほとんど理系科目(専門科目)になります。高専を卒業すると、就職する人もいますし、進学する人もいます。進学する場合は、大学の3年生に編入学します。

 高専3年生のとき、1単位で歴史の授業がありました。これを聞いて「ウヘェ〜また歴史の授業かよ。そんなのいらないよ。」と思っていました。ちなみにこの歴史の授業は、高専最後の歴史の授業でした。だから俺の内心は「これで歴史はオサラバ。半年の我慢ガマン。数学と化学は俺にとっては天国だ。」でした。

  しかし先生の授業が始まったとき、ものすごく鳥肌が立ちました。うまくいえないけど、「なんかこの先生はちょっと違うな」と思いました。授業の内容はほとんど「古代ギリシャ・ローマ史」です。(ローマの割合のほうがちょっと多かったけど。)そして最初の授業で行ったのが、「ギリシャ神話」についてでした。これはかなり面白くて、ギリシャ神話を読んでみたくなりました。そしてその後の歴史の授業も、すごく面白かったです。ひとつの言葉や一人の人物にも、こんなに面白いエピソードがたくさんあったのかと思いました。今までは事件や出来事を並べられただけだから・・・。この授業に感激して、俺は授業が終った後、思い切ってT先生にこう言いました。

「ギリシャ神話、とても面白かったです。また古代ギリシャの歴史も非常に面白そうだなと思いました。今まで歴史はものすごく嫌いでしたが、ちょっと興味を持ちました。それに関する本を読んでみたいです。」

  そしてT先生は、

「君はきっと、歴史は暗記物であるというイメージがあったり、誰かに思想を押し付けられたりして、嫌いになったタイプですね。だけど歴史はとても面白いものですよ。さまざまな人の生き様を見ることができますし、様々な民族の思想や生活もわかります。そしてそのような生活や生き様は、私たちが生きていくうえで、参考になることもしばしばあるのです。」

  と言ったが、更に神話についても、

「それに神話も、単なる作り話ではありません。もし単なる作り話なら、とうの昔に消えているはずです。それが現在でも残っていることはものすごいことです。単なる作り話に見えるのは、現在人が現在の科学を中心にして神話を見ているからです。ギリシャ神話の世界創造も、「現在人」から見たら、こっけいであるように見えるかもしれません。しかしこのような発想をすることは、非常に創造力が豊かな証拠ではないのでしょうか?現在人はもっと素直に神話を見るべきだと思います。君は結構素直そうなタイプだから、神話は向いているかも知れませんよ。」

「だけど俺は超理系ですし・・・・大丈夫かな・・・・・?」と俺は言うと、

「神話で重要なのは「素直さ」です。あと歴史もそうです。」

 この言葉がなかったら、神話や歴史が好きになれなかったかもしれない!俺はT先生を今でもすごく尊敬している。T先生がいなかったら、北欧神話に出会ったとしても、そんなに好きにはなれなかったと思う。ちなみに高専において、文系の先生で好きな先生は、「歴史のT先生」と「国語のK先生」だけである。

 T先生は次の授業のとき、初心者にも分かりやすいギリシャ神話関連の本を、俺に紹介しました。学校の図書館にも、神話の本がいくつかあったので、早速読んでみました。そしたらそこには、ゲームや漫画でよく出てきそうな固有名詞がたくさんありました。アテナ、ヴィーナス、ゼウス、バッカス、ガイア、クロノス、アルテミス、タイタン、ペガサスなど、ゲームで聞いたことがある固有名詞のオンパレードです。

 俺はゲームが好きです。タクティクスオウガとファイナルファンタジータクティクスは、名作であると今でも思っています。ゲームをやっているうちに、様々なキャラクターやモンスターの名前が出てきて、「ゲーム会社ってすごいな。なんでこんなに色々なキャラクター名やアイテム名を出せるのだろうか。なにか資料があるのだろうか。」と思っていました。

 神話を読んでいくうちに、「このゲームでは、なんでこの名前が使われているんだろう。」と考えながら、神話を読むようになったし、ゲームもするようになりました。単にゲームをするより、世界がちょっと広くなりました。

 高専4年生(大学1年)のとき、「ギリシャ神話以外にも神話の本はないかな。」と思いました。そしたら図書館で、ちくま書房の「世界の神話シリーズ」がありました。このシリーズは10冊セットであり、様々な国の神話について紹介されています。もちろんギリシャ神話についてもありました。そして俺が手に取ったのが、

「山室静著 / 北欧の神話―神々と巨人のたたかい / ちくま書房」

でした。表紙には世界中ユグドラシルのイラストがかかれていて、非常に印象に残っていることを今でも覚えています。特に目を引いたのは「神々と巨人のたたかい」というサブタイトルです。これを見て「ちょっと借りてみようかな。」と思いました。そしてもう一冊、

「山室静著 / ギリシャ神話−付北欧神話」

 このような本も見つけ、「北欧神話のページ数が少ないし、ちょっと読んでみるにはいいかな。それにおなじみのギリシャ神話もあるしね。」と思いました。俺はこの二冊を借りて、家に帰りました。

 家に帰って、これらの本を読んだとき、俺は驚きました。「何だこの神話は!!ものすごく重々しいし、殺伐としているぞ!!」というのが、率直な感想です。正直言うと、あんまり(ギリシャ)神話らしくない――しかし逆に神話らしくないところが、ものすごく惹かれました。殺伐としていて重々しい空気が漂っているし。だけど神々は、世界が滅びることを分かっていながらも、様々な困難を乗り越え、強く生きていく・・・。そして俺はこの北欧神話の空気に惹かれてしまい、もっともっと調べたくなりました。調べていくうちに、原典(エッダ)を読みたくなったり、ヴァイキングの生活にも興味を持つようになりました。(これがきっかけでヴァイキング好きになる。)

 また北欧神話に出てくる固有名詞が、ゲームのアイテムやキャラクターに登場することが多くて、驚きました。(例:ミッドガルド、ヴァルキリー、フレイヤ、フレイなど)あとインターネットを使って、いろいろなサイトを見てみようと思い、最初に見たのが「ヴァナディースのセスルームニル館」です。北欧神話クイズが面白くて、かなり印象に残りました。他にも様々な辞典サイトにも行きました。

 次にサガについてです。サガに出会ったのは、大学3年終盤のときであり、学校にあった「アイスランドサガ」という本がきっかけです。

 しかし北欧神話にのめりこんだ後、占いにはまり(ルーン占いが最初で、次にタロット。)、しばらくの間、神話は陰に隠れることになってしまいます。(高専4年後半〜高専5年終盤)そして大学に編入学した後(大学3年)、占いの興味が一気に薄れてしまいます。このときは神話と占いのはざまで迷っていました。そして大学3年の夏に、ある出来事がきっかけで、復活しました。(具体的に書くと、ややこしくなるので省略する。)その後、学校の図書館で、神話コーナーを見たら、なんとアイスランドサガがあったのです。

 最初に読んだのが、「エイルの人々のサガ」。しかしキャラクター数が多すぎるし、話がブチブチ切れているし、かなり把握しにくかったです。正直いうと、ものすごく読みにくかった。ちなみに俺は20ページでダウンしました。(10ページ読み通せるだけでもかなりすごいと思う。)で、次に読んだのが「ヴォルスンガサガ」で、これはかなりとっつきやすかったです。最初はちょっと神話っぽいし、主要な登場キャラクターもかなり限られていました。アイスランドサガの本を見つけたときは非常に鳥肌が立ちました。

  ギリシャ神話のことばかり話しましたが、俺にとって、北欧神話やサガの出会いを語るとき、このエピソードを切り離すことはできません。俺は今でもT先生を尊敬しています。

−Posted by : 柿田さん



●aibara版北欧神話事始

 「北欧神話(サガ、エッダ)との出会い」とのテーマですね。
 私の北欧神話との出会い、最初は何でしょう…

  記憶を検索中…


1.「クロちゃんのRPG見聞録」(か、クロちゃんのRPG千一夜)に載っていたヴォルスンガ・サガのあらすじ。※昔そーゆーRPG紹介本があったのです

2.聖闘士星矢アスガルド編。アメジストシールドだかなんだか使う、超ヒキョーなゴッドウォリアーがペガサス流星拳で、メッタ撃ちにされてるシーンだけが脳裏に焼きついている。多分、この一話しか見てない^^ あぁ北欧神話ってのもあるのかぁ、ぐらい。

3.「デジタルデビルストーリー 女神転生」に出ていた北欧神話の神々(ボスキャラのロキとか、強い仲魔のトールとか)

4.「幻想世界の住人たち」(ファミコン必勝本-Hippon super連載時)で紹介してた回もあったと思う。

5.子供の頃か、いつの頃か「龍の血をあびたジークフリートの背中に葉っぱがついていて、そこだけ弱点になってしまった」という話を何かでみた記憶がある。

6.ファミコンの「ワルキューレの冒険」も北欧神話との出会い?!しかし名前しか関係ないぞ、これ。マクロスのバルキリーだってそうだしなぁ。却下。


 と、いうわけで中学、高校時代に大体ゲーム・アニメ関係から(今もか)ちょこちょこ接触。 高校までは金がないので図書館で「ギリシャ神話辞典」(ぽい名前の本)読んだり、英語の辞書でファンタジー関連の単語にしるしつけまくる、ぐらいしかできなかった。 あとは指輪物語とかファンタジー系を読みまくったり…

 ここらで本題!?
 学生になってバイトして、お金の自由がきくようになって、はじめて北欧神話の本買ったのが「エッダ グレティルのサガ」(ちくま文庫)でした。


 この頃はケルト系の「オシァン」なんかも読んでたのかな。
 「グレティルのサガ」では魔術を好まない北欧の戦士たちに武士道?!をみる。
 「誓い」「掟」に厳格なとことか。

 「エッダ」の神々の物語は…いろんな意味でおもしろかった。
  神話資料、収集するようになってからもしばらくはずっと「エッダ グレティルのサガ」くらい。あと、みすず書房の「ゲルマンの神話」くらい。サガについて理解するようになるのは、もっとずっとあとになってから…
 岩波文庫の「ニーベルンゲンの歌」もこの頃読んだかなぁ。
 ブリュンヒルドこわいなぁ、と思った^^ 男が力で勝てないって…すごいッス。


 ゲーム制作の仕事やるまでは、いろいろ作品・企画的なことを考えたけど…
 実際はそこまで練りこめなかった?
 ゲームづくりはもうしない〜、と思うようになってからの方が収集や比較・考察をするようになった気がします。

 北欧神話の細かいディテールを知る、意識するようになったのは、辞典サイトやるようになってから…だと思います。
 以上、「aibara版北欧神話事始」でした〜。おそまつ!

−Posted by : aibaraさん



●人生とは恥を晒す旅でもある(泣)

 俺と北欧神話(サガ、エッダ)との出会い・・・それはTRPGです。

 TRPGというのは、テーブルトークロールプレイングゲームの略でして、文字通り机の上で役割分担しながら遊ぶゲームです。
 つまり、テレビゲームのRPGを机の上でしゃべりながらやるものだと思ってくれれば良いと思います。

 それは・・・俺がまだ20前後だった頃のことです。
 当時GM(ゲームマスター)をやる予定だった俺がシナリオに使う武器のネタ探しの為に本屋に立ち寄った時のこと。
 ちなみにTRPGにはGMという役割をする人がいまして。
 まあ、これはテレビゲームのRPGでいうゲームソフトの役割をする人でして、シナリオ(台本)をつくる必要があるのです。
 それで見つけた本というのが「世界の神話」みたいな類の本でした。
 いわゆる世界の神話をダイジェストにまとめて紹介する本ですねー。
 その中で偶然北欧神話のところに目が止まり、北欧神話の武器をシナリオに使用することになりました。
 まあ、これが出会いといえば出会いですね。
 ちなみにその武器は「ミョルニル」でした。
 そして・・・ここからがどうにもお恥ずかしい話なのですが。
 当時この「世界の神話」の本を読んだけで全ての神話がわかったような気になっていました・・・。
 ・・・い、いや、なんていうかほんと無知って怖いですね♪

 それから数年後のこと、たまたま本屋で北欧神話の本を発見。
 いわゆる「北欧神話物語」みたいな類の本でした。
 ここで、ハタと気がついた。 「この本、世界神話の本より分厚いじゃん。あれ?もしかして俺が読んだのは只のダイジェスト版?」
 気づくのおそっ!!
 そして慌てて購入し読破することに。
 「よし、これで北欧神話は完全に理解したぞー」
 甘いですね、過去の俺(泣)
 ちなみにこの時点でも、エッダが一種類だけではないことどころかサガの存在すら知りませんでした・・・。
 ・・・もうね、昔の自分が目の前にいたならばぶん殴ってやりたいぐらいですよ!!

 結局、更に数年の後インターネットをやるようになってからようやく色々わかってきた人です、俺。 なので、「Saga&Edda Assiciation」のサイト(自分以外)の皆様には今でも感謝しております〜。

 全く、我ながら間抜けな人生だ。
 過去を振り返るたびに恥ずかしさで冷や汗が止まりませんよ(^^;
 以来、神話に関して精進すべく頑張っているつもりの俺ですが、おそらく数年後の自分は今の自分を振り返って呆れ果てていることでしょう。
 「・・・変わらんなあ、俺・・・」って。

−Posted by : Freyrさん



●無神話期のおわり

 あるところに生意気盛りの中学生がいました。電車通学でしたので、進学のため家を出た兄の部屋で、通学時間に読む本を探していました。少し前ブームだったせいか、何冊かあったSFはだいたい読んだので、ある本を手に取りました。「ギリシア神話」(呉 茂一著 新潮文庫)でした。
 華やかで物語としての起伏に富み、これまでに読んだ小説の中に時々出てくるエピソードや名前が出てきて、中学生はたいそうご満悦でした。
 やがて兄の部屋にあった本のうち、面白そうなものは読み尽くしてしまいました。本屋さんで買おうにも、田舎の中学生のお小遣いなど微々たるものです。家の方針で、本はねだれば買ってもらえます。しかし内容をあれこれ詮索されたくはありませんでした。
 そこで中学生は学校の図書室を利用することにしました。
 学校の特色なのか、英米文学を読むのに必要な教養を身につけるための本や、キリスト教関係の本はとくに充実していました。また一部教師の趣味なのか、SF作家としても有名な科学解説者の科学啓蒙叢書もそろっていました。
 中学生は、以前気に入ったギリシア神話に関する本をみつけました。でもそれは入門書で、前に読んだ本の内容と重なっていました。
 筑摩書房という出版社から出ていて、文庫本よりは大きく、黄色い装丁でした。同じ装丁の本がいくつかあり、それらは全部色々な国の神話についての本でした。中学生はなんだか面白そうだと思い、それらを全部読んでみることにしました。
 世界のなりたちについてなど、国毎に違うことがとても面白かったのですが、中学生がとくに気に入ったのは北欧の神話でした。ギリシア神話とはまったく異なる荒々しい英雄達、日本の武士にも通じるところのある名誉へのこだわり、壮絶な最後が心に残りました。
 気になって探してみたところ、黄色い本にのっていなかった挿話がある、グレンベックという人が書いた黒い本や、北欧神話をもとにしたらしい、ラッカムという画家の繊細な挿絵が印象的な「ニーベルンゲンの指輪」を中学生はみつけました。
 神話の本はなかなかに多く、他の国の神話も含めて中学生は楽しい通学時間をすごすことが出来ました。
 中学生はやがて身の程知らずな大学生になりました。第二外国語にドイツ語を選び、ヨーロッパ・地中海文化を専攻することにしました。中学生のころから気にかかっていた民俗学や社会学、宗教学の講義を重点的に受けました。そのなかでレポートを書くようになり、ヨーロッパの、とくにドイツ語圏の民俗行事について調べることが多くなりました。  とても懐かしい名前に出会いました。中学生のころ電車の中で読んだ本に出ていた名前です。昔とは、使えるお金の額も学校の図書館の規模も違います。より多くの本や資料に出会い、神話がもつ深い意味を知り、さらに興味をもちました。  そして卒業論文はゲルマン人の信仰について書くことにしました。
 色々と人生が変わりましたが、それなりに楽しいものをもたらしてくれたと思っているようです。

 キング・アーサー@SFを好きな方々悪意は決してございません。彼の人類観を筆者はたいそう気に入っています。・・・怒んないで下さい。

−Posted by : 山森 衛さん



●人生、10年前の時点で変わったかもしれない

 おそらく今から北欧神話に触れられる方々の多くと同じ理由ではありますが、私もご多分に漏れずゲームから入ってきました。

 私のサイトで書いてあることと重複しますが、今からちょうど10年前、「タクティクスオウガ」というゲームの攻略本に書かれている「ヴァルキリー(Valkyrie)」の項目を読んでおりました。その後、「聖剣伝説3」とういゲームの攻略本にも「ワルキューレ(Valkyrie)」の項目を読んでおりましたが、そこでふと疑問が湧きました。「ヴァルキリー」と「ワルキューレ」、日本語にすると全く違うこの二つ、英語のスペルは同じValkyrieと掲載されているし、不思議に思って英和辞典を調べて見たところ、北欧神話に出てくるものであることを発見しました。そこから、北欧神話ってどんな神話なんだろうと思ったのが始まりでした。

 最初に読んだのは「北欧神話」という本で、HR エリス・デヴィッドソン著の米原まりこ+一井知子訳で青土社から出ている本です。元々ヴァルキリーから入った私にとっては、時代背景などをとりあげたこの本の意図するところを読み切れず、書棚に10年近く放り込むことになりました。その次の「北欧神話物語」でようやくエッダに入ることができまして、「オーディン」や「フレイヤ」たちが、私の頭の中で構築されていくことになります。

 その後はさらにヴァルキリーを研究するべく、サガに手を出すことになります。このときから社会人となりまして、本を読む時間は非常に少なくなってしまいました。最初に読み始めたのは超有名、「ヴォルスンガサガ」です。転職してからは社用車で一日中外出、そのまま自宅に直帰し「鉄砲玉(撃ったら玉は帰ってこない=会社を出発したらその日は帰ってこない)」と呼ばれるようになってからは、時間調整中や休憩中に読むようになりました。このとき、同行していた先輩が興味本位で「ヴォルスンガサガ」を読んで、その内容に「凄惨だ」というコメントを残して以来、今度はサガからその当時の社会について考えるようになり、10年来読んでいなかった前述の「北欧神話」を引っ張り出すことになりました。

 そうして、今に続くこととなります。ですので、今となってはエッダは随分と遠くにある存在になってしまいつつありますが、この協会では企画があるたびにエッダを読み直しては復習(?)をする機会をいただいております。また、当時の社会についてはそろそろまとめて自サイトや、この協会の質問掲示板で発表したいと考えております。エッダとサガだけとは言いましても、この二つからさらに文学や社会学などの広がりがあり、私にとって非常に興味深いものとなっています。みなさんもぜひ、この味わい深い北欧神話に触れられてみてはいかがでしょうか? また、ある程度北欧神話をご存じのみなさんは、別の角度から見てみるのも面白いかもしれませんよ?

−Posted by : ヘルギみのまた




ご投稿、ありがとうございました!



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